買取保証付き売却とは?仕組みとメリットを解説
マンションを売却しようとした際、「なかなか売れなかったらどうしよう…」と不安になる方は多いものです。とくに相続などで急に不動産を引き継いだ場合、売却に慣れていないケースも少なくありません。そんなときに心強い選択肢が「買取保証付き売却」です。
買取保証付き売却とは、一定期間内に物件が売れなかった場合でも、あらかじめ決めた価格で不動産会社が買い取ってくれる仕組み。売却のリスクを減らしながら、高値での売却も目指せるのが魅力です。
本記事では、買取保証付き売却の流れやメリット、注意点、東京都心のマンションにおける活用ポイントなどを詳しく解説します。
買取保証付き売却の基本を知ろう
通常の仲介と買取の“いいとこどり”
買取保証付き売却は、「まず仲介で売却を試みて、売れなかったら不動産会社が買い取る」という2段階の売却方式です。通常の仲介では、市場価格で売れる可能性がある反面、売却までに時間がかかることがあります。一方、買取ではすぐに現金化できる反面、価格は市場価格よりやや低くなる傾向があります。
買取保証付き売却はこの両方のメリットを組み合わせた方法で、「売れなかったらどうしよう」という不安を解消しながら、できるだけ高値での売却を狙える選択肢です。
こんな方におすすめ
- いつまでに売却したいかが決まっている方(例:半年以内)
- 相続したマンションをスムーズに整理したい方
- 引越し先の購入と売却を同時に進めたい方
- 空き家の管理負担を早く解消したい方
買取保証付き売却の流れ
1. 査定・売却プランの提案
まずは不動産会社に査定を依頼します。物件の市場価値をもとに、販売価格と買取保証価格の両方が提示されます。たとえば、「市場価格の目安と5,500万円、買取保証価格5,000万円」といった形です。
2. 一定期間の仲介販売
販売期間は一般的に3か月〜6か月ほど。その間は通常の仲介売却と同じように、広告や内覧などを通して買主を探します。
3. 売れなかった場合の買取
販売期間内に買主が見つからなかった場合、事前に約束した金額で不動産会社が物件を買い取ります。売却が確実に成立するので、次の予定も立てやすくなります。
東京都心のマンションで活用するメリット
人気エリアでも確実な売却が可能
港区・中央区・千代田区などの都心エリアでも、価格や築年数、管理状況によっては売却が長引くこともあります。買取保証があることで、希望期間内に売却できる安心感が得られます。
相続物件の整理にも適している
相続によってマンションを取得したが、活用予定がない場合も買取保証付き売却は有効です。売却までの時間を区切ることで、税金や管理の負担を減らせます。
住み替えのタイミングが計りやすい
売却時期の不透明さは、新居購入や引越しの妨げになることも。買取保証があることで、資金計画やスケジュールの見通しが立てやすくなります。
注意すべきポイント
買取保証価格はやや低め
保証される買取価格は、一般的な仲介での売却価格よりも低く設定される傾向があります。あくまでも「売れ残った場合の保険」としての位置づけのため、高値での売却を狙う方には向いていないかもしれません。
すべての物件が対象とは限らない
物件によっては、買取保証の対象外となるケースもあります。築年数が極端に古い、修繕状況に問題があるなど、個別に条件が設定されるため、事前の相談が重要です。
買取になった際、交渉などがしづらい可能性も
また、保証期間が設定されているため、その期間内に自力で売却できなければ自動的に買取が実行され、価格交渉の余地がない場合もあります。さらに、買取保証を利用するには、専属専任媒介契約など、特定の契約形態が必要になることが多く、自由に他社へ乗り換えられない点も留意しておきましょう。
より納得のいく売却のために
買取保証付き売却は、売却の不安を軽減しつつ、なるべく高く売るチャンスも確保できる優れた方法です。特に相続したマンションや、売却に期限があるケースでは、心強い選択肢となるでしょう。
まずは、自分の物件が買取保証付き売却の対象になるかどうか、専門の不動産会社に相談してみることをおすすめします。