重要事項説明書とは?売買前に必ず確認すべき書面

マンションの売却を検討していると、「重要事項説明書」という言葉を目にすることがあります。これは売買契約の前に必ず交付・説明される重要な書類で、買主が購入を判断するための大切な情報が詰まっています。一方、売主にとってもこの書類の内容を理解しておくことは非常に重要です。説明不足や情報の不一致がトラブルにつながることもあるため、正しく知って備えることが、スムーズな売却への第一歩となります。
この記事では、重要事項説明書の基本から、売主としての注意点、売買契約書との違いまでをわかりやすく解説します。

重要事項説明書の基本的な役割

不動産を売却する際、買主に対して交付される「重要事項説明書」は、売買契約前に不動産会社(宅地建物取引業者)が義務として説明しなければならない法定書類です。これは購入希望者が安心して取引を進められるよう、不動産の権利関係や法的制限、設備の状況などの重要な情報を記載し、事前に買主へ伝えることを目的としています。

売主が知っておきたい記載項目

売主への重要事項説明は義務ではないため、場合によっては売主への重要事項説明が省略されることがありますが、売主も契約条件や詳細な情報を理解して契約を締結すべきです。

重要事項説明書には、以下のような内容が記載されます。

  • 登記簿上の権利関係(所有者・抵当権の有無)
  • 建築基準法や都市計画法に基づく制限
  • 私道や共有部分に関する負担
  • 管理費・修繕積立金の滞納の有無
  • アスベスト使用の有無や耐震性の状況
  • 電気・ガス・水道等のインフラ情報
  • 瑕疵担保責任や契約解除条件 など

売却する物件に不明点がある場合、不動産会社と事前に情報を整理しておくことで、説明時にトラブルを回避できます。

売買契約書との違い

売買契約書と混同されがちですが、重要事項説明書は契約の前段階で「内容を正しく理解してもらうための説明書」です。一方、売買契約書は売主・買主双方が合意した取引内容を書面に落とし込み、法的効力を持たせるものです。

つまり、重要事項説明書の確認と説明は「契約前のチェック項目」、売買契約書は「合意を示す公式文書」と位置づけられます。

売主が注意すべきポイント

1. 説明責任は宅建士にあるが、売主の協力も必要

重要事項説明書は宅地建物取引士が買主に対して説明する義務がありますが、売主が提供する情報が不完全であれば、誤った説明になる可能性もあります。物件の状況や過去の修繕、設備の故障履歴など、正確な情報を提供することが求められます。

2. 隠し事は後のトラブルに

売却する不動産に何らかの不具合や法的トラブルがある場合、隠さずに事前に開示しておくことで、トラブルや損害賠償請求のリスクを避けられます。正直な申告が結果としてスムーズな取引に繋がります。

相続した物件でも説明は必要

相続した不動産の場合、現状を正確に把握していないケースもあります。過去の登記簿や管理規約、修繕履歴をできる限り収集し、不動産会社に相談のうえ、正確な情報を重要事項説明書に反映してもらうことが大切です。

トラブルを避けるためには買取という選択肢も

個人の買主との取引では、重要事項説明の内容をめぐってトラブルになることもあります。特に古い物件や状態が不明確な相続不動産では、不動産会社による「買取」を選ぶことで、煩雑な手続きを避け、確実かつスピーディーに売却できます。

まとめ

不動産売却では、買主への情報提供が非常に重要です。売主としても、重要事項説明書の内容を事前に把握し、正確な情報を共有する姿勢が信頼に繋がります。

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